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「一杯」になる 小川忠太郎先生剣道話(44)

小川忠太郎先生剣道話(44)~「一杯」になる~

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今日は、稽古について話します。本体ということ。  左手を「こう」持つ。これが本体。 これがバラバラになっちゃだめ。 自然体が大事。 「体」。 それに、右手を軽く「こう」添える。 これで、三角矩が決まる。 剣先と目と腹。 普通ですと、構えから始めるけれど、構えの元に「本体」がある。 本体から構えが出来る。 構えから技が出る。 その「本体」を教えているのが、直心影流の努力呼吸。 努力呼吸で本体を練る。 極端に言えば、かかとが地球の中心まで入るような気持ちで。 雲弘流では、これに「一杯」という名前を付けている。 【雲弘流一杯は、思わず、おもんぱからず】。 だから、思ったらだめだ。 そして、 【技は風のごとく起こり、雲のごとく変ずる】と言っているが、そんなところを捕まえたらだめだ。 「本体」つまり「一杯」というところを修行しなくては。 頭のてっぺんから足の先まで「ズーッ」と気合が充実する。 気合が切れれば、そこを打たれる。 充実しようとして「硬直」すると打たれる。 充実と硬直は違う。 「硬直」は「一杯」じゃないんだ。 そうかと言って、気合が抜けておってもいけない。 そこは説明出来ないから、修行して自得するよりない。 法定の形でしっかり修行する。 「一杯」になっていれば、打たれっこない。 (以下、次回に続く) 昭和56年8月 (『小川忠太郎先生剣道話 第一巻』より) タイトル、構成…栗山令道

 
 
 

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