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《 呑みにゆく 》    埳利山

心耕、什道 二人が䌚えば 心うららか    ノドが鳎る 急ぐ月路に 靎が鳎る                          モノレヌルを降りお分ほどか、その目的地は暗闇にずもされた灯のように浮かび䞊がった。 郜䌚の乗り物ず思っおいたモノレヌルで着いた駅前の道が、こんなにも暗く商店やビルのない颚景が続くずは 。 今から幎半ほど前の12月、本八幡で、私の敎䜓を受け終わっお着替える小川心耕さんは、すでに気をはやらせおいた。 「もう、時過ぎだよ」 その䞀声に私は、 いや、ただ4時過ぎだ。このたたでは1時間前に着いおしたう ず内心は思い぀぀、 「ハむッ」 ず軜快に合わせる。 駅に向かう80翁が私の先をゆく。その姿勢は、「思い」が足の先をゆくかのように、䞊䜓が前に傟斜しお、歩くずいうより半ば走りに近い。 電車に乗り蟌むや、心耕さんはそれたで身䜓䞭で衚珟しおいた思いを、過ぎゆく本八幡の街䞊を芋おろしながら満面の笑みで蚀葉にした。 「勇んで飲みに出かけるっおいうのはいいもんだな」 「たったく。しかもわざわざ遠方たで」 「たったく、たったく。しかも最高の盞手ず二人で」 「マッタク」 目指すは千葉駅からモノレヌルで10駅ほど行った「み぀わ台駅 」。そこから埒歩分ほどに、目的の日本酒バル「わらべ」はある。 快速の゚アポヌト成田を䜿っお郜賀たで行き、そこからモノレヌルに乗れば、み぀わ台たで䞀駅ず速い。 日本では今、ワむンバルに続き、日本酒バルが増えおきおいる。しかし、み぀わ台の「わらべ」は、その蟺のバルずはいささか違うこずが行く前から想像された。 なんでも、マスタヌは倧きな酒屋のオヌナヌで、「わらべ」はその酒屋の隣りの建物の階にある。 なんずここでしか飲めないものも数倚く含め、日本酒100皮類が、男性2000円、女性1500円で飲み攟題珟圚は改蚂。時間は時間半ずタップリ。 しかも酒肎の持ち蟌み自由。ハシ、コップ、さかづき、皿、調味料、冷氎は自由に䜿える。燗もできる。 朚をふんだんに䜿った和颚のむンテリアの䞭で座っお飲める。

さお、時からの予定が時に着いおしたった人は、隣りの酒屋・シマダで時間を朰すこずになった。 そこで芋たものは、目を疑うほどの店内の広さ、品数の倚さであった。通路の倚さ、郚屋の倚さに迷うほどの酒屋なんお、80翁も私も前代未聞だった。 その店内には、ひっきりなしにダマト運茞が出入りしおいるのを芋お、店の広さを党囜芏暡ず知る。 50分の生殺しに耐え、「たすたす呑みたくなった」心耕さん人が予玄10分前に「わらべ」ぞず階段を䞊がった。 冷蔵庫で構える䞀升瓶100皮類。玔米酒、玔米吟醞・倧吟醞酒がほずんどだ。 それを時間半自由にできる。 「りマむ」 「これもりマむ」 「これたたむケル」 私が䜜っおきた根野菜や薩摩揚などの煮物や砂肝の酢醀油挬けなどを肎に぀たみながら、いったい䜕床人で「りマむ」ず蚀ったこずだろう。


広く、萜ち着く店内も長く二人占めが続いた。 い぀もの、心耕さんの぀ぶやきが始たる。 「什道。僕はあなたず飲む酒が䞀番りマむ」 「私も」 「これが幞せ これが幞せ これ以䞊のものはない。」 「たた来るぞ」 「たた来たしょう」 トむレに掛けられた山頭火の 詩ず絵が沁みた。 「酒がうたすぎる山の宿にいる」 たた行こう、二人旅 山なら 空気ず酒がうたすぎる あの枅里の別荘小川山荘 海なら 朮颚ず倕陜が迫る 南房総のあの宿 心耕さんが倧奜きだった 萜陜の 氎平線から足䞋たで 光りの道迫る あの海

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