小川忠太郎先生剣道話(17)~技の出口を覚える~
技の出口を覚える。みんな、今のところはまだ技が出て行かないんだよ。 「スーッ」と技が出る所を自得すると、面白くて仕方なくなる。まだ、止まってる。 この「スーッ」と技の出る所は、正しい稽古に数をかけると、ポコッと悟れる。 ごまかし稽古では、「起こり」が分かるから、そういうのは止まっちゃう。正しい稽古でここを覚えた人は、止まらない。 国士舘の専門学校で、一年生は切り返し、二年生は掛かり稽古、三年の二学期になるとそういう技が出てくる。 だから数だよな。普通の大学では、そういうことをしないで「当てっこ」をしているから、大学二年の時が一番いいんだね。三年の時はもう落ちてる。 国士舘のような指導をすると、歳が上になればなるほどいい。卒業してから伸びる。 宏道会の稽古ぐらい内容のいい稽古はないよ。日本中にない。ただ、稽古の量が足りないからな。専門家でなくても、毎日2回ぐらいの稽古してるもの。 2、3日前に■(削除)に行って稽古してやって、ちょっと話してやったら喜んでね。家が中野の人が、私の家まで車で送ってきたよ。 何回やっているか聞いたら、毎日2回やっていると言っておった。 専門家じゃないけどね、量が違う。だけど稽古が駄目なんだな。それで少し教えてやると喜ぶ。駄目は駄目なりにね。 ここ(宏道会)は形だけやっただけでもね、あれだけの形をする所はありはしない。 (次回に続く) 昭和55年3月 『小川忠太郎先生剣道話 第一巻』より
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