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執筆者の写真宏道会案内人

法定の形だけで… 小川忠太郎先生剣道話(47)

小川忠太郎先生剣道話(47)~法定の形だけで…~

今の稽古は、打ち合いの稽古をやればやるほど分からなくなっちゃう。 分からないはずだよ、方向が違っているんだから。 どんなに長くても、50が境になるな。 どんどん、どんどん駄目になる。 後から駄目になる。 今は試合ばやりだが、20歳ぐらいで優勝なんかしても、あと10年か20年もすれば体も効かなくなるしね。 本人も行き詰まるしな。 今の剣道は試合がいけない。 優勝したとか、なんだかんだ。 それを目標にしている。 段も奨励法だが、この段もいけないね。 段を取るためにやってる。 それでないとやらないんだよ。 これは人間にとって必要なものだということに気がついて、自分でやるようになれば、大したものだ。 そこまでいく人は、なかなか無いね。 酒井先生が、法定の形でそこまでいってる。 稽古(防具を付けた稽古、地稽古)をやらないで、法定だけで。 (しかし、時には防具を付けて竹刀の稽古をされることもあった) 少し分かり始めると、ああなっちゃうんだな。 22、3歳で加藤先生(加藤完治。直心影流15代山田次朗吉に師事して法定の形を習う。小川忠太郎先生の師。)に付いて始めた。 真剣で、純真なんだね。 味があるということが分かったんだね。 そうすると、生活のすべてが法定から出ているみたいだ。 自分だけでなく、奨励しているね。 いつでも僕を引っ張り出すんだ。 しかし、偉いもんだな。 「自分だけでおけない」というふうに燃えるんだね。 72、3だ。 大したものだね。 だから、22、3から法定を50年以上やったのかな。 ここ(宏道会)の稽古だって、そうなりゃいいんだよ。 あの人は、竹刀も3尺2寸だ。 剣道でどこを練ればいいか知っているから、それでやってる。 現代では珍しいね。あの人は。 加藤先生がおったから出たんだ。 あの先生がいなければ、出はしない。 昭和56年8月 (『小川忠太郎先生剣道話 第一巻』より) タイトル、構成、()内…栗山令道

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